ワイシャツや白衣、シーツ類など白物を温水で洗うことを、商業クリーニングでは『ランドリー』と呼んでいます。
温水か常温水かの違いはありますが、一般的な家庭洗濯もランドリーと言うことができると思います。
またホームクリーニングと言われているセーターなどのデリケート品を洗う洗い方は、ランドリーではなく下記に紹介している『ウェットクリーニング』に分類されます。
ランドリーは弱アルカリ性の合成洗剤、もしくは粉石鹸を使って洗います。
ちなみにウェットクリーニングは中性洗剤で洗います。
家庭洗濯と商業ランドリーで大きく違うのは、まずは機械の大きさです。
家庭用洗濯機は7〜8キロタイプが主流ですが、業務用の洗濯機(水洗機といいます)は20〜30kgが主流で、ワイシャツを一度に約100枚程度洗うことができます。
(業務用ドラム式水洗機)
白物の洗濯では50〜60℃の温水で洗います。
洗濯は基本的に温度が高いほど洗浄効果が上がり、汚れ落ちに優れています。
業務用の洗剤も、大きな洗濯槽の中で容易に溶けて広がりやすく、50℃位で洗浄効果が高くなる専用の物を使います。
次に機械の構造ですが、業務用水洗機は全て『ドラム式』です。
最近は家庭用洗濯機もドラム式が人気ありますが、使い勝手と本体価格が高いことから従来の『かくはん式』に戻りつつあるようです。
従来型の家庭洗濯機は『かくはん式』と言われ、洗濯水が渦巻状に回ることで衣類同士が擦りあい、その摩擦で汚れを落とす仕組みになっています。
これに対してドラム式は、ドラム内部の羽根によって上方に持ち上げられた衣類が自然落下し、洗濯水に叩かれることで汚れを落とします。
これを『たたき洗い』と言います。
ドラム式とかくはん式、それぞれにメリットとデメリットがあります。
同条件で洗った場合、汚れ落ちは『かくはん式』のほうが衣類同士を擦り合わせて汚れを落とす分優れています。
ただし擦り合わせるという理由から、服に対するダメージも『かくはん式』のほうが大きいといわれています。
ドラム式は洗濯槽の中で自然落下による叩き洗いなので、汚れ落ちはかくはん式より劣る分、衣類へのダメージは少ないといわれています。
汚れ落ちを良くするために高い温度で洗ったり、漂白剤やアルカリ剤などの助剤を使ったりして洗浄力を上げているのです。
洗剤は汚れを落とす物・・・ではなく、汚れを浮き上がらせて落としやすくするための物、と考えたほうが良いかと思います。